2023/04/30

お子さんについての相談先は

アルコール依存症本人を抱える家庭生活は、殊にお子さんへの影響が大きいのは言うまでもありません。大人であるパートナーや親御さんは、対応せざるを得ない、また、大人であれば、ストレス・コーピングや趣味や外出して場を移したりと自分で気分を変えたり相談をしたりできます。しかし、お子さんは自分で、環境を変えることはできません。大人の半年、1年は我慢のできる範囲としても、6歳のお子さんの1年は、人生の1/6を占め、そのあいだのつらい思いを、しかたがないとはいきません。成長発達にも大きな影響があります。

ですので、保護者や大人が、お子さんの時間や気もちを護り、支援し、アルコール依存症家庭にあって、レジリエンスをもって育っていくことを望みたいです。アルコール依存症の家族がいると家庭内で諍いが増えがちです。両親の喧嘩を子どもに見せるのは面前DVであり、虐待です。

面前DVとは、暴力をふるうのでなくとも、子の前で配偶者への暴力行為を見せる、子の前で配偶者に暴言を吐く、子を配偶者から取り上げる、配偶者の悪口を子に吹き込んだり、言わせたりする、子に危害を与えると言って脅す等が含まれます。

また、近年、問題になってきている「ヤングケアラー」は、「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものこと。責任や負担の重さにより、学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります」と厚生労働省HPに定義されており、「アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している」子どもはヤングケアラーであり、スクールカウンセラーにおいても、学校等でヤングケアラーであるとわかったなら報告することになっています。

お子さんのことで不安や困り感があれば(自己肯定感が低い、コミュニケーションがうまくできない、発達障害ではないか、過剰適応ではないか、不眠、場面緘黙、吃音、チック、不登校、ゲーム依存、ネット依存、生活習慣の乱れ、等)相談機能を利用していきましょう。

お子さんの年齢に相応した相談窓口・相談機能があります。

就学前であれば、保健センター等の相談窓口、福祉事務所、児童相談所、子ども家庭支援センター、各自治体の教育相談センター等、妊娠中から就学前まで切れ目のない支援が標榜され、「子育て世代包括支援センター」として、ワンストップサービス化しています。

学齢期となると、小中高校には、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)が配置されています。公立学校にも私立学校にも相談機能があります。自治体の教育相談センターにおいても相談でき、複数の相談先があります。

児童・生徒のみならず保護者はSCに相談できます。都道府県のSCと基礎自治体のSCが配置されていることが多く、選ぶこともできます。学校配布の相談室だより等に記載があるのをご覧ください。保護者は子育てや家庭の相談ができ、担任や学校への要望を伝えて回答を得たり、お子さんの学校での様子を聞けます。必要に応じて。医療機関についての情報入手や、必要に応じて発達検査や特別支援教育へつながったりできます。

SSWは、SCより人数は少なく、各校区や教育相談センターに配置されています。学校からケース検討の要請があり応談となる場合が多いです。家庭環境からくる困り感や福祉支援・制度利用を必要とする場合にアウトリーチの対応が可能で、家庭訪問などもなされます。子ども家庭支援センターにつながったりもできます。

また、心理専攻のある大学の心理相談センターの相談機能も活用できます。大学のHPに情報が出ています。プレイセラピー等を受けられたり、子どもと保護者、双方のカウンセリングを受けられます。通学する学校のSC等に聞いても、近隣の大学の心理相談センターの情報が入手できます。

大学生であれば、大学に学生相談やさまざまな相談機能があり、相談できます。修学にかかる相談、心理的な相談、就職に関する相談、法律相談、ハラスメント相談等、各種の相談機能があり、大学のHPに記載があります。お子さんに相談資源の活用を促されるといいでしょう。

企業勤務の方であれば、産業医や、企業内相談室に、産業カウンセラーやキャリアカウンセラーが配置されていたり、組織内にない場合、外部EAPと契約がされていて、相談できるでしょう。配偶者が企業内の産業医やカウンセラーに雇用されている配偶者のアルコール問題や経済的な問題、休職等の相談もできるでしょう。

依存先=相談先が多いほうが自立していると言われます。活用できる相談機能を知って、活用していき、お子さんについて一緒に考えていける人的資源・社会資源を増やしていきましょう。


2023/04/10

アルカネット(花)について

アルカネット は花の名前です。 

ムラサキ科ウシノシタグサ属の多年草で、6月~10月頃小さな青紫色の花が固まって咲きます。別名アフリカワスレナグサ、アンチューサーです。

花言葉 : 大切な思い出、淡い記憶、真実

(https://www.weblio.jp/content/アルカネット より引用)


アルコール依存症とは

アルコール依存症はけっして珍しい病気ではありません。

あの人のお酒の飲み方はちょっとおかしいなー。そんな風に感じることはありませんか? アルコール依存症は意外と身近にある病気です。2013年、厚生労働省の研究班によりアルコール依存症患者の推計は107万人だとわかりました。アルコールは依存症薬物の一つです。脳の器質を変化させて「節度を持ってお酒を飲む」ための脳の機能を破壊します。

お酒の量や飲み方がおかしくなるのは、本人の意思や性格が理由ではなく、病気の症状です。

アルコール依存症本人を抱える家族について

 アルコール依存症本人を抱える家族を、ここではアルコール依存症家族と呼んでいます。

 アルコール依存症家族と聞くと、みなさんはどんなイメージを思い浮かべますか?一番多いのは、酒に酔って暴れる夫に苦労する妻、というイメージかもしれません。

 もちろん、実際に「妻の立場」のアルコール依存症家族が多いのは事実です。しかし近年、アルコール依存症の妻を持つ「夫の立場」の家族も増えてきました。そして昔から、アルコール依存症の子どもを持つ「親の立場」の家族の方がいました。またもちろん、「子どもの立場」や「兄弟姉妹の立場」の方も。ヤング・ケアラーという言葉が最近注目を集めていますが、その中には、確実に、「アルコール依存症の親を持つ「子どもの立場」のアルコール依存症家族がいます。

 立場は違っても、みな、家族の酒に心を痛め、傷つき、途方もない努力をして、失望を繰り返す、アルコール依存症家族です。私たちが存在することを、どうか知ってください。


体験談

 (準備中)

離婚を考える時

 アルコール依存症のパートナーとの関係を見直す、解消する選択をせざるを得ないときもあります。日本は協議離婚が9割、調停離婚が1割と言われており、家庭裁判所での調停は敷居が高いと思われがちですが、話し合いの行い難い依存症本人との婚姻関係や同居関係については、調停が利用できることを知っておきたいです。

 裁判所HP(夫婦関係や男女関係に関する調停)を参照ください。
 夫婦関係調整(円満、離婚)、内縁関係調整、婚姻費用の分担請求、財産分与の請求、離婚後の紛争調停と、調停を求めることができます。

 調停の申し立て方法については、裁判所HPに掲載され説明動画もあり、家裁窓口で説明も聞けます。提出する「申立書」の記入も難しいものではありません。
 「申立書」には、申立て理由として、異性関係、暴力をふるう、酒を飲みすぎる、浪費する、病気、精神的に虐待する、家族をかえりみない、生活費を渡さない等が選択項目にあり、飲酒が度を超していて暴言がひどく生活費を渡さないから、という内容は申立て理由として成立します。

 費用は収入印紙1200円と連絡用の切手代で、切手は調停終了時に残余分が返却されます。
  代理人弁護士を立てずとも申立てはできます。調停開始後、弁護士を立てることも可能です。
 調停期日は何回と決まりはありません。ほぼ1~2か月に1回の調停期日が当事者の都合を聞いて確定します。調停は非公開で守秘義務が護られ、調停委員会(裁判官と男女各一名の調停委員で構成)が、申立人と相手方の話を聞いていき、調停の進行を急かされることはありません。申立人と相手方は会わないように進行されます。待合室は別室で、交互に話を聞くので同席しません。
 電話での調停も正当な理由があれば可能となり、住所や電話番号の非開示が可能です。

 別居をしたい/別居している、その間の婚姻費用を求める婚姻費用の請求ができます。双方が離婚に同意されますと、財産分与、年金分割について決めていき、お子さんがある場合、お子さんの親権、養育費、面会交流が話し合われます。

 ご自分の場合、婚姻費用や養育費がどのくらいの額になるかは、裁判所のHPにあるこちらをご参照ください。この算定表に基づき、調停でも算出されます。

 お子さんの親権や面会交流については、調査官が立ち合い、調査官調査(お子さんへの面談)も行われる場合もあります。 
 
 財産分与は、婚姻後に夫婦で形成した共有財産を1/2ずつとするのが大前提であり、婚姻関係にあった年月(別居している場合、婚姻日から別居時まで)の共有財産を明らかにして、財産分与を算出していきます。給与所得者で退職金が予定される場合、婚姻時から別居時または離婚時までの年数に見合った退職金額の1/2を配偶者に財産分与することなども話し合われます。

 合意が成立しその合意が調停調書に記載されると、その記載は確定した判決と同一の効力をもちます。

アルコール依存症関係サイト

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参加方法

あなたも/あなたの家族会も アルカネットに参加しませんか。

アルコール依存症家族および家族会のみなさま、ぜひ私たちの活動の仲間になってください。入会申込書はこちらです。